学校に弁当を売りに来る殿様商売な業者さま

思い出すと腹が立つ、利権行使の業者ども。
高校の時分に私は学費を稼ぐためわざわざクソ面倒くさい
手続きをしてバイトをしていた。
バイトと勉強だけの毎日で高校生らしいことをしていない
と思い、記念に弁当を購入してみたことがある。
弁当は昼にくる業者から購入するのがだが、大学進学のため
金をケチっていた私にはとても「(金をもっている)高校生らしい」と
感じていたのである。
弁当を買うには朝に殿様商売の業者が置いていった注文票に
書かれた欲しい弁当にチェックをいれるのが通例となっていた。
業者にとってはうれしいだろう。
無駄に材料を仕入れることもなくなるからだ。
そして受け取りは昼休み。
賞味期限間近なくせにぜんぜん市場より安くなっていないパンや
ジュースを売りにくる業者とともにやってくる弁当売り
のおばちゃんから受け取る。
問題なのはこの受け取り時だ。
注文された弁当を売りにくるおばちゃんは
これがまた横柄な更年期障害ばばぁなのである。
以降、弁当売りのおばちゃんは「ばばぁ」と書く
反論があってもねじ伏せる。
で、最初で最後の弁当購入時に私はとまどっていた
パン・飲料物・弁当を売りに来る業者があつまっている
昇降口では生徒がひしめきあって列を成すどころではない。
順番なんてかんけいねぇ、ここでは力がすべてだ、と
ばかりに人を押しのけて昼食を買い求める生徒に圧倒された。
いつもは握り飯を持参し、飲み物は駅前のドラックストアで
格安のお茶を買っていたのでこのような光景を見たのははじめてだった。
一般店とほとんど変わらない値段でここまで盛況だとは
思わなかった。紙パック飲料なんてコンビニと同じ値段であり、
賞味期限間近のパンでも10円引きで御の字だ。
なんにせよ弁当を手に入れなければならない、
意を決して生徒の群れの間をぬって弁当を売るコーナーへたどり着く。
なんとか弁当売りのばばぁの近くに到達したときは
顔がしわくちゃになった中年女性――夫にでも口やかましくしているのだろう
口まわりが固い感じがする――が天使に見えたほどだ。
その後おもいだし吐いたが。
どう受け取りをするのか分からないので周囲の生徒のやりとり
を観察してみると、ばばぁに注文した弁当名を告げ、お金をだし
受け取るらしい。
私もさっそく、ばばぁに注文していた弁当名「オムライス」を告げた。
すると非常識が常識となる公立学校らしい反応が返ってきた。
ばばぁが「オムライスはここにあるでしょ」と怒鳴り、ぶくぶく太った
自分の腰のそばに置かれていたケースを指差した。
そこで失笑がおきた、周囲の生徒が私がばばぁに失礼なことをして
怒られたのだと勝手に解釈して笑ったのだ。
なんとかお金を捻出して気晴らしに弁当を購入しようとすればこれである。
気を取り直し、ケースを確認する。
ケースにはまだ受け取りにこない生徒分の弁当が詰まっていた。
よくみてみるとオムライスらしき黄色いブツが入ったパッケージがある。
勝手にとって良いのかとまどっていると私を無視して別の生徒に弁当を手渡している。
勘定を台のうえに置き勝手にオムライス弁当をとっていくと
他の生徒も同じようにして次々と弁当を手にいく。
なんとか秩序だって守られていた列もくずれていた。
「やられたな」と思った。
このばばぁは弁当売り時の昼休みの時間内に
生徒(客)をさばききらないのでなんとかしようと
焦っていたのであろう。それで打開策として初回の購入者である
私に怒鳴り散らすことで暗に「勝手に金置いて弁当とっていけ」と示したのである。
さばききれない自分に対する怒りを私にもぶつけたのもあるだろう。
私が理不尽に怒鳴られたことにより勝手にケースをあさり弁当を持っていく生徒が続出した。
よく観察してみると慣れたよう弁当を持っていく生徒もいる。
混雑しているときはこのようにしてもよいシステムなのだと直感した。
ばばぁが怒鳴ったのは「混雑しているときは勝手にケースをあさっても良い」
というシステムが分からない「初回購入者」に対しての言葉だったのだ。
丁寧に説明しなくてもひと言付け加えてくれればよいものを
ばばぁは自分の忙しさのあまり鬱憤晴らしも込めて怒鳴ったのだ。
私はこのようなスケープゴートには慣れている。童顔で背が低く
色白で大人しそうな者はなにかと狙われる。
そのことは不問に付すとしてもだ、弁当のまずさは許せなかった。
たいして安くもないのにまずいのだ。
所詮、学校と癒着、利権により殿様商売をしている業者である。
客が生徒であるので廃棄ロスの心配が極端に少なく、
競争相手がいないので価格競争や質の向上も見受けられない。
とてもとても、ご立派な商売だ。
ちなみにばばぁから弁当を買ったのはこれが最初で最後である。

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