5月17日 タイヤパンク数回目でニッケル拾いのコンビニたむろの若者

5月17日
運がよいのか分からない一日。
客観的に見ても運が悪い範疇に居る私でもたまには
天の恵みを受けることがある。このまれに見る幸運を
しっかと刻み付けたい。
深夜。出勤するために自転車に乗ると尻の下に違和感がする。
漕ぎ出すと「ぶしゅる・・・ぶしゅる」と車輪が回るたびに
一定感覚で空気がわずかにもれだす音が鳴る。パンクだ。ロケンロー
自然なパンクである。千枚通しやナイフで人為的に空けられたタイヤだと
数メートル漕いだところでタイヤがぺちゃんこになるからだ。
だてに隣人トラブルで隣のおばさんに自転車を
千枚通しで空けられたわけではないのだ。
タイヤ修理をしている時間もないので持つかどうかわからないが
ええい、ままよと出発。
移動するたびに後輪から空気か抜け出す。
ペダルをいくら踏み込んでもまったくスピードがあがらない。
また、ペチャンコ寸前のタイヤで乗ると車輪が三角形になったかのように
「ガッコン・・・ガッコン」と音を響かせるだけでなかなか前に進まない。
それでも漕ぎ続けると時間ぎりぎり、空気残量ぎりぎりで目的地前の
駐輪場に到着。乗るのも無理なほど後輪から空気がもれだした自転車を
蹴りだしスクーター代わりにしたり、真夜中の道端に放置して
走った経験もあるので割とおちついていた。しかし都合がよい
タイミングでペチャンコになったのは運がよい。
持ってくれた自転車におもわず「よくもってくれた自転車」なんて
声をかけたほどだ。まさに気分は戦国時代の伝令。一刻を争う事態に
陥った伝令がとばしすぎて潰れてしまった馬にかけるかのよう。
汗だくになり体力を消耗した状態で作業にとりかかる。
しかし、今日は運が良い。
久しぶりにあてられた作業箇所でなんとニッケル様をお拾い申した。
世間一般で言う百円玉。輝いてる。
古参のパートさんが言うには昔は百円玉ていどよく落ちていたらしい。
いまではとんと拾わなくなったと語っていた。
作業を終えて帰宅する。
自転車を押し歩き。
後輪のタイヤに空気が入っていないので一定感覚でガッタンガッタン鳴っている。
これで野犬がでる田舎道を数十分かけて歩く。
さすがに疲れて喉が渇いてきた。そろそろ通りかかる路地に自販機が
あったと思い至る。そこには他飲料よりも十円安くドクターペッパーが
売られているのだ。買うしかあるまい。
急ぎ足になり目的の自販機がある路地にさしかかる。
直後に違和感。路地が暗い。わずかとはいえ自販機から漏れる照明が
あたりをほの明るくしているはずなのにそれがない。
撤去されていたのだ。それも狙ったかのように私が休日の時に。
たった一日ずれただけ。いつもならぐっとこらえて家にかえり
白湯をたらふくのんだであろう。だが、私の喉は炭酸を欲している。
コンビニに向かう道は帰路とは別方向。よけいに疲れた体でしかたなく向かう。
コンビニに着くといつもは一台あれば上等な店舗前駐車場が満車だ。
なかに入ると理解できた。夜遊びがえりなのかいまから飲むのか
若い男女が群がっている。それも炭酸飲料水が陳列されている冷ケースの
真ん前で。いくらなんでもドンピシャすぎる。なんだこれは。
それとなく菓子陳列棚に移動し様子を伺うが集団は盛り上がる一方。
どく気配はない。すかさず割り込んで行こうと思ったがうんざりして
退店する。コンビニの扉を閉める直前に後ろからレジ前にいたカップル
の声でなにか文句をいわれた。どうやら私が扉を押さえて親切心をださない
ことに苛立ったのだろう。やれやれだ。
帰路にもどる道すがら自販機を発見。
いつもとは違う方向から歩いているからだろう。
いままで注意を向けてこなかった場所に設置されている自販機だ。
よくみると昔にたまに飲んでいた炭酸飲料がある。
白カルピスに炭酸を割っただけのような味といえば想像できるだろう。
本家カルピスソーダとは違いくどくないので好みだ。
さっそく買おうと財布をとりだす。中身は一円玉が数枚と五十円玉。
そしてさきほど拾ったニッケル様だ。
硬貨を投入口に入れ何度も商品を確認してボタンを押す。
がこっと音を立てて缶が転がりだされる。が、取り出し口から
だしてみると缶に凹みがいくらか見受けられる。
いまさっきの衝撃でできたものはない凹みもある。
私の心も凹みかけるが、いや、それでもこれを手に入れることが
できたのは百円を拾えたからだと思い直す。運がいいぜ。
野良犬に出くわすことも車の集会をしている若いやつらに
野次をとばされることもなく無事帰宅できた。めでたしめでたしだ。
そして今日の朝方。
私が母にあげた給料全額が家賃代でふっとんだことを元父と母との会話で知る。